営業DXツールは、営業活動をデジタル化し、業務効率化を目指すための重要なツールです。営業チームの生産性向上や、クライアントとの関係強化を実現するため、数多くの営業DXツールが提供されています。しかし、ツール選びは簡単ではなく、企業ごとに最適なツールが異なります。この記事では、営業DXツールの種類や選び方、無料で使えるおすすめツールを紹介し、効果的な活用方法について解説します。


営業DXツールとは、営業活動をデジタル技術でサポートし、業務の効率化や成果の向上を実現するために使用されるツールのことです。具体的には、顧客管理、営業支援、マーケティング自動化など、営業活動のあらゆる部分を改善するためのツールが含まれます。これらのツールは、業務の負担を減らし、営業チームの生産性を高めるために重要な役割を果たします。
営業DXツールは、企業の成長に欠かせない存在です。特に、デジタル化が進む現代においては、営業活動の効率化が競争力を左右します。営業担当者は、営業活動にかかる時間を削減し、より多くの商談や顧客との接点を増やすことが求められています。
そのため、営業DXツールは、業務をスムーズに進行させるだけでなく、売上向上にも直結する効果を持っています。
営業DXツールには、目的や役割によっていくつかのタイプがあります。顧客情報を一元管理するCRM(顧客関係管理システム)、営業活動を可視化し効率化するSFA(営業支援システム)、リード獲得から育成までを自動化するMA(マーケティングオートメーション)、そしてチームでの業務を円滑に進めるためのプロジェクト管理・タスク管理ツールなどが代表的です。
これらのツールはそれぞれ異なる機能を持ち、営業活動のどのフェーズを支援したいかによって選ぶべき種類が変わります。以下の表で、各タイプごとの主な機能と、解決できる課題を一覧でまとめました。
ツールタイプ | 特徴 | 解決できる課題 |
|---|---|---|
CRM(顧客管理ツール) | 顧客情報の一元管理、リードの追跡 | ・顧客データの散乱 |
SFA(営業支援ツール) | 営業プロセスの可視化、案件管理 | ・営業活動の進捗管理 |
MA(マーケティングオートメーション) | マーケティング施策の自動化、リードの獲得と育成 | ・リードの獲得方法の非効率 |
プロジェクト管理ツール | チーム間でのタスク管理、進捗管理 | ・プロジェクトの進行管理 |
オンライン営業ツール | Web会議、営業資料の共有 | ・顧客との非対面コミュニケーションの不足 |
このように、営業DXツールは導入目的に応じて適切なタイプを選ぶことで、営業現場の生産性向上と業務効率化を大きく支援してくれます。
ここからは、各ツールの詳細についてより詳しく紹介していきます。
CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理システム)は、営業DXにおいて中核を担うツールです。顧客との接点や情報を一元管理し、営業担当者がいつ・どのようなやり取りを行ったかを把握できます。これにより、顧客ごとの最適なアプローチが可能となり、関係性の深化やLTV(顧客生涯価値)の向上に貢献します。
また、社内での情報共有が促進されるため、担当変更があっても引き継ぎがスムーズに行える点も大きな魅力です。CRMは、新規顧客の開拓よりも、既存顧客との関係を強化したい企業に特におすすめされる営業DXツールです。
SFA(Sales Force Automation/営業支援システム)は、営業活動そのものをデジタルで記録・可視化し、効率化を図るための営業DXツールです。商談の進捗状況やアプローチ履歴をシステム上で管理でき、営業担当者の行動が可視化されます。
これにより、マネージャーは部下の進捗をリアルタイムで把握し、適切なフィードバックや支援を行えるようになります。
また、営業活動のデータを蓄積することで、成果の出る営業手法や業界ごとの傾向を分析し、再現性のある営業プロセスの構築も可能になります。チーム全体の営業力を底上げしたい企業にとって、SFAは極めて重要な営業DXツールです。
MA(Marketing Automation/マーケティングオートメーション)は、見込み顧客へのアプローチを自動化し、営業部門に対して質の高いリードを提供する役割を持つ営業DXツールです。
具体的には、Webサイトへの訪問履歴やメールの開封状況、資料ダウンロードなどの行動をトラッキングし、見込み度合いをスコアリングします。その情報をもとに、興味関心の高いユーザーにはステップメールなどを自動で配信し、商談に繋がるまでのナーチャリング(育成)を担います。
MAツールの導入により、マーケティングと営業の連携が強化され、営業部門のアプローチ先が明確になります。成果の出るリード獲得から育成までを効率化したい企業にとって、MAは必須の営業DXツールです。
プロジェクト管理・タスク管理ツールは、営業活動をチームで円滑に進めるうえで重要な営業DXツールです。営業だけでなく、マーケティングやカスタマーサポートなど複数部門が関与する業務では、タスクの抜け漏れや認識のずれが生じやすくなります。
そうした課題を解決するため、タスクの進行状況を可視化し、担当者や期限の明確化、優先度の整理を行えるツールが役立ちます。特にリモートワーク環境では、進捗共有やチャット機能などを通じて、スムーズな連携が図れる点が重宝されます。
代表的なツールとしては「Backlog」や「Notion」などがあり、営業業務の品質とスピード向上を支援します。
オンライン営業ツールは、従来の訪問営業から非対面型の営業スタイルへと移行する中で、営業DXを推進するうえで欠かせない存在です。Web会議システムや営業資料の共有プラットフォーム、オンライン名刺交換など、営業活動をインターネット上で完結させるための機能が充実しています。
これらのツールは移動時間を削減し、より多くの商談機会を生み出せる点が大きなメリットです。たとえば「Zoom」「ベルフェイス」「Eight Team」などが代表的なオンライン営業ツールとして知られており、非対面での成約率を高めたい企業にとっては有力な選択肢となります。

営業DXを進めるうえで、無料で利用できるツールを活用することで、コストを抑えつつ業務効率を向上させることが可能です。以下では、「CRM(顧客関係管理)」「SFA(営業支援システム)」「MA(マーケティングオートメーション)」「プロジェクト管理・タスク管理ツール」の4つのカテゴリに分け、おすすめの無料ツールを比較表で紹介します。
無料で使える営業DXツールの比較
カテゴリ | ツール名 | 特徴 |
|---|---|---|
CRM(顧客関係管理) | HubSpot CRM | 無料で基本的な顧客管理が可能。見込み顧客の追跡やEメール管理機能を搭載。 |
SFA(営業支援システム) | Zoho CRM | 無料プランでも営業プロセスの自動化が可能。リード管理や商談管理機能を提供。 |
MA(マーケティングオートメーション) | Mailchimp | 無料でメールマーケティングができる。シンプルなキャンペーン作成や顧客セグメント機能を備える。 |
プロジェクト管理・タスク管理ツール | Trello | 直感的な操作が可能なタスク管理ツール。カンバン方式で進捗を可視化できる。 |
各ツールには異なる強みがあります。CRMを活用して顧客情報を一元管理し、SFAで営業プロセスを自動化、MAでマーケティング活動を効率化することで、営業DXをスムーズに進めることができます。また、タスク管理ツールを使えば、営業チームの業務を整理し、スケジュール管理を強化することも可能です。
無料ツールを上手に活用し、自社の業務に最適なDX環境を整えましょう。
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報を一元管理し、営業活動を効率化するためのツールです。顧客の行動履歴を記録し、適切なアプローチを行うことで、売上向上につながります。
・HubSpot CRM
HubSpot CRMは、シンプルで使いやすいインターフェイスを提供し、営業活動を効率化します。顧客情報を一元管理できるだけでなく、チーム内でのコラボレーションが簡単に行えます。
メールトラッキング、タスク管理、パイプライン管理、報告書作成など、営業に必要な機能が揃っており、特に営業部門のチームワーク強化に貢献します。また、無料プランでも非常に多くの機能が提供され、無理なく利用開始できるのも魅力です。
小規模なチームや営業部門で試してみたい場合、HubSpot CRMは非常にお勧めです。
HubSpot CRMの詳細は、以下の公式サイトから確認ができます。
https://www.hubspot.jp/products/crm
・Zoho CRM
Zoho CRMは、豊富な機能とカスタマイズ性を提供するツールで、リード、商談、顧客情報の管理に加え、営業活動の自動化やレポート作成なども行えます。特にカスタマイズ性が高く、業界や企業に特化した設定が可能で、成長するビジネスに最適です。小規模から大規模まで幅広い企業規模に対応しており、営業活動の効率化をサポートします。
中小企業から大規模な企業まで幅広い業種で活用できるため、CRMに求める機能が多い方にはZoho CRMがお勧めです。Zoho CRMの詳細は、以下の公式サイトから確認ができます。
SFA(Sales Force Automation)は、営業プロセスを自動化・可視化するツールです。案件管理や商談記録、活動分析などの機能を備えています。
・Salesforce Sales Cloud
Salesforce Sales Cloudは、営業活動の効率化をサポートする強力なSFAツールです。顧客管理、商談管理、レポート作成、営業活動の自動化を提供し、大規模な営業チームでも効果的に活用できます。
さらに、AI機能を活用して営業活動をデータドリブンで最適化することができ、営業チームの生産性を飛躍的に向上させます。非常に強力なツールであり、グローバル企業にも多く採用されています。
大規模な営業チームや、細かなカスタマイズが必要な企業にはSalesforce Sales Cloudが非常に効果的です。Salesforce Sales Cloudの詳細は、以下の公式サイトから確認ができます。
https://www.salesforce.com/jp/sales/
・Pipedrive
Pipedriveは、直感的なユーザーインターフェースとシンプルな操作性で人気のSFAツールです。商談管理に特化しており、営業チームが効果的に案件を追跡できるようサポートします。簡単に商談の進捗を把握できるため、チームの効率化に大いに貢献します。また、レポート機能や目標設定機能が充実しており、営業活動の透明性を高めます。
使いやすさを重視し、営業プロセスの可視化を進めたい場合にはPipedriveをお勧めします。Pipedriveの詳細は、以下の公式サイトから確認ができます。
MA(Marketing Automation)は、見込み顧客の獲得や育成を効率化するツールです。メールマーケティングやリードスコアリングの機能を備えています。
・Mailchimp
Mailchimpは、マーケティングオートメーションの分野で広く使用されているツールで、特にメールマーケティングに強みを持っています。顧客データのセグメント化やパーソナライズ機能を活用し、ターゲットを絞ったキャンペーンを自動化できます。無料プランでも基本的な機能を十分に活用でき、マーケティング活動を手軽に始められる点が特徴です。
簡単な自動化を行いたい場合や、メールマーケティングが主なマーケティング手法の一つである場合は、Mailchimpを試してみるのが良いでしょう。Mailchimpの詳細は、以下の公式サイトから確認ができます。
・Brevo
Brevoは、メールマーケティングに加えてSMSキャンペーンやチャット機能も備えたMAツールです。顧客管理機能が充実しており、効果的にターゲットにアプローチできます。リードナーチャリングに強力な自動化機能を提供し、マーケティング施策を広範囲にわたってサポートします。
SMSやチャットなど、多角的なマーケティング施策を自動化したい場合は、Brevoがお勧めです。Brevoの詳細は、以下の公式サイトから確認ができます。
プロジェクト管理ツールは、チームのタスクや進捗を管理し、業務を円滑に進めるためのツールです。
・Trello
Trelloは、タスク管理やプロジェクトの進捗を視覚的に管理できるツールです。カード形式でタスクを整理し、チーム内でのコラボレーションが簡単に行えます。特にシンプルなインターフェースと直感的な操作で、個人や小規模チームでの使用に非常に適しています。タスクの優先度付けや期限の設定が容易に行え、効率的なタスク管理が可能です。
シンプルでビジュアルなタスク管理を求めている場合、Trelloは非常に有用です。無料プランで利用を始め、チーム全員が簡単に利用できるのが特徴です。Trelloの詳細は、以下の公式サイトから確認ができます。
・Asana
Asanaは、タスク管理やプロジェクトの進捗状況を詳細に追跡できるツールです。特に大規模なプロジェクトでも効果的に活用でき、タスク設定、進捗管理、チームの連携を強化します。洗練されたデザインで、ユーザーエクスペリエンスにも優れています。また、豊富な統計情報やレポート作成機能があり、業務の透明性を高め、プロジェクト管理の効率化を実現します。
複雑なプロジェクト管理が必要な場合や、チーム間での連携を強化したい場合にはAsanaがお勧めです。無料プランが提供されており、導入が簡単です。Asanaの詳細は、以下の公式サイトから確認ができます。

営業DXツールは、導入するだけで成果が出るわけではありません。自社の営業課題や業務プロセスに適したツールを選定することが非常に重要です。業務効率化や売上拡大といった目的に直結させるためには、いくつかの重要な観点を押さえる必要があります。
ここでは、営業DXツールを選ぶ際に注目すべきポイントを下記の4つに分けて解説します。
解決したい課題にあったものを選ぶ
導入時と導入後のサポートの質で選ぶ
使ってみたときの操作感で選ぶ
他ツールとの連携機能の充実さで選ぶ
営業DXツールを選ぶ上で最も重要なのは、自社の抱える課題に対して適切なソリューションを提供できるツールを選定することです。たとえば、顧客との関係構築に課題がある場合はCRM、営業プロセスの可視化が必要であればSFA、見込み顧客の育成を効率化したい場合はMAが有効です。
目的が不明確なまま導入すると、業務にフィットせず定着せずに終わってしまう可能性があります。まずは、自社の営業活動でどこにボトルネックがあるのかを明確にしましょう。
ツール選定においては、初期導入時の支援体制と導入後のサポート品質も非常に重要です。どれほど多機能で優れた営業DXツールであっても、使いこなせなければ意味がありません。操作方法のレクチャーやマニュアルの整備、担当者によるオンボーディング支援が用意されているかは確認が必要です。
また、導入後も問い合わせに対する迅速な対応や、定期的な活用支援が行われるかも選定基準となります。サポート体制が整っていることで、ツールの定着率と効果が大きく変わります。
営業DXツールの効果を最大化するためには、実際の使用感がストレスなく使えるものであることが求められます。見た目のUI(ユーザーインターフェース)やナビゲーションのわかりやすさ、入力や操作の簡便さなど、日々使う営業担当者にとって使いやすいかがポイントになります。
可能であれば無料トライアルやデモアカウントで実際に操作してみることで、ミスマッチを防げます。複雑すぎるツールは現場に浸透しにくく、かえって業務の負担になる恐れもあるため注意が必要です。
営業DXツールは単体で完結させるものではなく、他の業務ツールと連携することで真価を発揮します。たとえば、SFAとMAを連携させることで、見込み顧客の育成から商談化までをシームレスに行うことができます。
また、SlackやGoogleカレンダー、名刺管理アプリなど、日常業務で使っているツールとの連携があると業務効率が一気に向上します。導入前には、API連携やZapier対応の有無、自社で使用しているシステムとの互換性を必ずチェックするようにしましょう。
なお普段のメール業務にかかる時間を短縮したい、問い合わせ対応を効率化したいという場合は、メールDXプラットフォームである「yaritori(ヤリトリ)」を利用するのがおすすめです。
yaritori(ヤリトリ)は画面デザイン・操作性・導入のしやすさによる「使いやすさ」で評価されており、シンプルで使いやすいのが特徴です。初期費用・最低契約期間もなく、月額1,980円(1ユーザー)ですぐに利用を開始することができます。

この記事をかいた人
八並 嶺一
エンタープライズセールスの専門家。株式会社エージェントにて、大手企業との取引量を増やし、事業拡大を牽引。その実績を背景にCHRO、COOを歴任し、組織・事業の両面から経営をリード。2020年の株式上場を経験する。2022年、インキュベーター株式会社を創業。自身が現場と経営の両軸で培ってきた「大企業営業」の知見を再現可能な仕組みに昇華すべく、2025年にエンタープライズセールス特化型サービス「アカマネ」をリリース。アカマネを通じて属人化しがちなエンタープライズセールスを、再現性ある営業基盤へと変革する支援に取り組んでいる。